死神の嘲笑
椅子から全員が立ち上がる。

「あれ、友弥って意外と身長低いんだね」

小馬鹿にしたように、梓が友弥に声を掛ける。

「十七歳で、俺はまだ成長期だから」

「ふうん。で、何センチなの?」

「四月の身体計測では、百六十六センチ」

不意に、梓が声をあげて笑い始めた。

「私、百六十七。友弥って高三? 高二?」

「高三だよ」

「じゃあ、もう成長期終わってるんじゃない?」

姉弟のように仲良くなった二人の様子を、朱理と臨は微笑ましげに見ていた。

< 55 / 270 >

この作品をシェア

pagetop