死神の嘲笑
「朱理ちゃん、そんなに難しく考えなくていいって。臨君が大げさに言い過ぎただけだよ。気軽に話しながら、捜そ」

「そうそう。別に朱理さんが全部の箱を捜せっていうわけじゃないんだし。先導って臨さん、そんなこと言われたら誰だって戸惑うって」

梓と友弥に責められ、臨はしょんぼりした振りをする。

「ごめん。でも、軽い気持ちでいいから、こんな場所があるっていうことを教えて欲しいんだ」

真剣な目で、三人が見つめてくる。


「ここは『普通』の世界じゃないから……」

不意に、友弥の言葉が蘇る。

現世とは、どうしようもない自分とは、違うのだ。


朱理は力強く、頷いた。

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