死神の嘲笑
× × ×


物心ついた頃から、三留梓には自傷癖があった。

髪の毛や眉毛、睫毛。

それらを抜いた時に、先端に付いている、白い毛根。

皮膚に、しっかりと根を張っているようで、心強く感じた。

自分は『生きている』と実感できる。

だから、やめることができなかった。

< 65 / 270 >

この作品をシェア

pagetop