死神の嘲笑
けれども、中学校入学同時に、梓の自傷癖はエスカレートした。


原因の一つは、生徒の増加。

三校の小学校から同じ中学校に生徒が集まるので、好奇の目は強くなる。

それに、健太のサッカー部の練習が忙しくなったことによる、孤独感の増大。


或る日、自宅にあったカッターナイフを手に取った。

ゆっくりと、その刃を左手首に沈めていく。

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