死神の嘲笑
五月九日。二十回目の誕生日。

『生きている』証拠が届くことは、なかった。


もう、終わったのだ――。

健太は、自分の『味方』は、いない。


絶望が、全身をがんじがらめにする。



五月十日になって約半時間、カッターナイフを手にすると、決意した。

今まで最も深い、しかし、死なない程度に、四番目の傷を作ろう、と――。


× × ×

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