死神の嘲笑
一番手前の部屋から、小さな物音がした。

「……梓ちゃん?」

そっと、呼び掛ける。

「朱理ちゃんか。ごめん。少しの間だけ、一人にさせてくれないかな?」

「分かった」


渋々、円陣の椅子の一脚に腰掛ける。


落ち込んでいるであろう梓に、何もしてやれない自分が歯痒い。

朱理は、頭を抱えた。

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