死神の嘲笑
「このボール、何かおかしいよな?」

眉間に縦皺を刻んだ臨が、友弥に問う。

「うん。詳しく調べよう」

梓が残していったカッターナイフで、ビーチボールの中を抉る。


刃の先に当たったものを、臨は苦心して取り出した。

「臨さん、これは?」

臨の右手に乗った、こじんまりとした緑色の箱。

蓋部分に『三』と印字されている。

「もしかして、死神の言っていた箱かもしれない。開けてみようか?」

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