束縛+甘い言葉責め=溜息
「バカバカしい……」
違うのか、顔色を変えずにそのまま部屋から出ようとする。
たまらなくなって、手首をつかんだ。
「どこにいた?」
「離して!!」
思いきり手を振り払われた。
ショックで声が出ない。
「……後で言う。今、ご飯してるの。今からしないとお腹空いてお菓子食べるから」
そう言い去る背中を見て、ほんの1分考えてから、同じように和室を出た。
「風呂入るよ」
少し家事を手伝ってやらなければならないという思いから、出勤前に子供たちを風呂に入れてやろうと思っただけなのに、真紀はビクッとすると、
「あっ、まだ掃除してない……」
バツが悪そうに答えた。
「いいよ、俺が掃除する」
無理して笑顔で答えたが、その声を聞いた真紀は少し俯き、手が完全に止まっていた。
外に出て、家の中のことを俺にさせることに、抵抗があったのかもしれない。
それで少し考え直してくれればいいんだけどな、と思いながら、適当に風呂の掃除をする。
「湯貯めるよ。僕まだ風呂入ってないから。みんな入れてから出て行くよ」
「……うん……」
真紀はこちらを見ずに、焼きそばを炒めている。
外に出歩くようになって、メニューは随分変わった。少し前までは、手の込んだロールキャベツの煮込み物やビーフストロガノフなどが何品も並び、料理の腕にも自信を持っていたのに、今日は焼きそばだ。
今日は10時に出社すればいいか……。
仕事の算段をしながら、ゆっくりとした時間を過ごすことにする。
子供が寝るまでみてやって、少し家のことを考えなければならない。
風呂から上がり、夕食をとった後、しばらく遊ぶとすぐに9時になる。
四男がぐずる中、長男の歯磨きをしたり、三男のおむつを替えたり。やらなければならない、必要最低限のことでも無限のようにある。
やはり少し息抜きが必要なのか……そう思いながら、四男を抱き、次男と積み木の片付けをしていた。
ふと見ると、イタリア製のソファの隅に、真紀のバックが無造作に置かれている。
バックも皮ではないナイロン製の普段使いの物。……今日持って行っていたのは、これなので、浮気ではないのだろう……、少し言い過ぎたかな、と反省しながら、バックをクローゼットに片付けようと近づいた時。
中に入っている白い封筒に気が付いた。
よく見る。
いや、病院の処方箋だ。
まさか、病気か!? と焦る気持ちで、バックから取り出した。
違うのか、顔色を変えずにそのまま部屋から出ようとする。
たまらなくなって、手首をつかんだ。
「どこにいた?」
「離して!!」
思いきり手を振り払われた。
ショックで声が出ない。
「……後で言う。今、ご飯してるの。今からしないとお腹空いてお菓子食べるから」
そう言い去る背中を見て、ほんの1分考えてから、同じように和室を出た。
「風呂入るよ」
少し家事を手伝ってやらなければならないという思いから、出勤前に子供たちを風呂に入れてやろうと思っただけなのに、真紀はビクッとすると、
「あっ、まだ掃除してない……」
バツが悪そうに答えた。
「いいよ、俺が掃除する」
無理して笑顔で答えたが、その声を聞いた真紀は少し俯き、手が完全に止まっていた。
外に出て、家の中のことを俺にさせることに、抵抗があったのかもしれない。
それで少し考え直してくれればいいんだけどな、と思いながら、適当に風呂の掃除をする。
「湯貯めるよ。僕まだ風呂入ってないから。みんな入れてから出て行くよ」
「……うん……」
真紀はこちらを見ずに、焼きそばを炒めている。
外に出歩くようになって、メニューは随分変わった。少し前までは、手の込んだロールキャベツの煮込み物やビーフストロガノフなどが何品も並び、料理の腕にも自信を持っていたのに、今日は焼きそばだ。
今日は10時に出社すればいいか……。
仕事の算段をしながら、ゆっくりとした時間を過ごすことにする。
子供が寝るまでみてやって、少し家のことを考えなければならない。
風呂から上がり、夕食をとった後、しばらく遊ぶとすぐに9時になる。
四男がぐずる中、長男の歯磨きをしたり、三男のおむつを替えたり。やらなければならない、必要最低限のことでも無限のようにある。
やはり少し息抜きが必要なのか……そう思いながら、四男を抱き、次男と積み木の片付けをしていた。
ふと見ると、イタリア製のソファの隅に、真紀のバックが無造作に置かれている。
バックも皮ではないナイロン製の普段使いの物。……今日持って行っていたのは、これなので、浮気ではないのだろう……、少し言い過ぎたかな、と反省しながら、バックをクローゼットに片付けようと近づいた時。
中に入っている白い封筒に気が付いた。
よく見る。
いや、病院の処方箋だ。
まさか、病気か!? と焦る気持ちで、バックから取り出した。