【タイトル未定】



「町を案内する」と、半ば強引に放課後の池内くんを連れ出して向かったのは、学校近くの駄菓子屋さん。


「お前さあ、俺をバカにしてんの?」

着いた瞬間、悪態を吐く池内くんにはもうすっかり慣れた気分だ。


「まあまあ。ここのもんじゃは町一番だからさあ」

へらっと笑って言うと、池内くんは、町一番もなにもここしかないんだろう?とかなんとかブツブツ言っている。


「おばちゃん!もんじゃ一つね!」

聞こえないフリをして、もんじゃを注文する。


「もんじゃ食べながら腹割って話すんだよ」

あたしの強引さにも多少慣れたのか、池内くんは何も言わず、机に着いた。


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