【タイトル未定】
学校に着いても、一学年一クラスしかないから必然的にあたし達は同じ教室に入る。
我ながらよくもまあ、これだけ一緒に居て飽きないもんだと思う。
「おはよー」
にかっと笑顔を作って教室に入る。
「うわー。今日日直だ…」
黒板に書かれた名前を見て思い出す。
「どんまいだなー。今日は当てる授業ばっかじゃん、ってか結、早く日誌取りに職員室行けよ」
カズに言われて教室を出る。
「もー!予習やってないのにぃー!」
最上級の笑顔を作って言うとクラスメイトの笑顔が返ってくる。
「ほんと、結って元気で明るいよねぇ」
そうだそうだ。
それでいい。いつも笑顔で。元気で明るくて悩みがなさそうで単純で。
それでこそ上原 結(ウエハラ ユイ)ってもんだ。
パタパタと小走りに職員室に向かいながら、あたしは自分に言い聞かせる。
どんなときも、笑顔で。