【タイトル未定】


振り向いて目が合ったまま、その人は何も言わなかった。

「池内くん?よろしくねぇ」

日誌を受け取りながらあいさつをする。


相変わらず、一言も発しない転校生は服装のせいかなんなのか、やっぱりとても都会的で、小さな町で育ったあたしにはとても眩しくて、どこか洗礼された雰囲気を身に纏っていた。


緊張しているのかはたまたなんなのか。


結局、転校生と会話することなく、あたしは教室に戻った。



「みんなー!今日から転校生来るんだってー!仲良くできたらいいねぇ」

にっひー、と笑顔を浮かべてクラスのみんなに報告する。


男?女?この時期に?などと、クラス全体が沸き上がっているまま、朝のホームルームの時間になった。

< 7 / 15 >

この作品をシェア

pagetop