魔物に恋をしてしまった

「…いやいや、あり得ないから。血をあげないと魔族になるって…。そんな仕組みあるわけないじゃん!」

「俺が嘘をつく必要があるか?」

「…吸血鬼で血が必要とか…?」

「俺は女に困ったことは一度もない。血をもらうならお前みたいなのじゃなくて、もっと頭のいい女の血をもらう」

確かに、このルックスなら女に困ることなんて絶対ない

けど、お前みたいのって…


私が…可哀想すぎじゃありません?


「お前が魔族になりたいなら血を渡さなきゃいい。」


魔族…

魔族ってようするに妖怪みたいなもんでしょ?

魔族になんてなりたくない!!

でも、何でもコイツの思い通りになるって言うのも悔しい…!

でも・・・


自分が人間じゃなくなるなんて想像できない

ただでさえ状況がまだ呑み込めてないのに…

これ以上、何かあって自分が変わっていったら困る


「…わかった。血をあげる。その変わり魔族になんて絶対しないで」






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