キミといた。
あたしはシートに座ったまま、目だけで2人を追う。
自身の足取りは重い。
それは決してお婆ちゃんが亡くなり、その葬式をするからだけの理由ではない。
理由はいくつもある。
さっきから言っているように山々に囲まれている、孤立している土地に足をつけることが躊躇われる。
心細い感覚。
恐ろしい感覚。
ジワジワと足元から何かが這い上がってくる感覚があたしの足取りを重くさせる。
けれど理由はこれだけではない。
どうしようもない。
あたしは短く息を吐くと、ドアを開けては外に出た。