キミといた。
すごく久しぶりの土地に足をつけたせいなのか、前に来たときとは何かが違うような感覚を持った。
ザワザワと声が聞こえる。
風の影響で騒めく木々の音も聞こえる。
目だけを動かして見れば、そこには前までと変わらない山々に囲まれた世界があった。
ゴクリと、こみ上げてきた恐怖と一緒に唾を飲み込む。
ザワザワと葉の揺れる音がやけにあたしの中の恐怖を倍増させる。
「………っ」
あたしは家へと向けて足を踏み出す。
早足に変更しようとしたときだった。
ふと背後から声をかけられた。
「千晴…ちゃん?」