キミといた。




だからここでのあたしはただ笑うしかなかった。


不機嫌な表情などをする訳にはいかないことくらい分かっている。



だって、この土地の人たちの中のあたしは、小学6年生の時の無邪気な〝千晴〟で時が止まっているのだから。



だからあたしはこの土地へ来る前に覚悟を決めたのだ。



ここに滞在する4日間は無邪気で純粋な〝千晴〟で有り続けようと。


もうきっとこの土地へは二度と訪れないだろう。



だから本当のあたしのことなど知らなくていい。


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