キミといた。
幼心なりに感じていた、山に囲まれると言う恐怖に似た感情しか思い出せない。
抜け出すことのできない異空間に迷い込んでしまったかのようだった。
「………っ」
ゾクリと背筋に悪寒が走る。
ザワザワと風が葉を揺らす。
まるでそれは山々が叫び声を上げているようにも聞こえる音だった。
大声で誰かに助けでも求めているかのような。
あたしはフルフルと首を左右に振っては悪いイメージを振り払おうと試みた。
そこで1つ思う。