キミといた。
きっと起きていることなんて丸分かりだろう。
母はいつまでも動こうとしないあたしを見て大きく溜息をつくと、ドシドシと荒い足取りで寄ってきた。
そして一切言葉を発さずに布団を畳みだしたのだ。
まず手をつけているのは父の布団。
確実に次はあたしの布団がやられるだろう。
諦めたあたしはタオルケットから目だけを出して睨んだ。
「…まだ6時半じゃん」
「今日は告別式なのよ。 ダラダラしない!」
そう言うと母は強引にあたしの布団を引っ張りあげた。
なんて信じられない腕力なんだろうか。
寝ていたはずのあたしは見事にゴロンと畳の上に転がり落ちた。