キミといた。



俯いてひたすら歩いていると、ふと何かに呼ばれたような気がして顔を上げた。



「…?」



顔を上げてはキョロキョロと辺りを見渡す。


けれど人はおろか、猫すらいない周囲を見渡してると鳥肌がたった。



単純に恐怖。


全く知らない土地に一人取り残されてしまったような、そんな孤独を感じる。



「………っ」



勉強しろと煩いお母さんがいる家に帰りたくない。


けれどあたしはこんな恐ろしい道を一人どこまでも歩いていけるほど勇敢ではない。



帰ろうと思うが、あたしはそこでハタと気づく。



(ここどこだ…?)


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