キミといた。
俯いて歩き続けたせいか、現地点がどこであるか分からなくなってしまった。
やばいと単純に思う。
完璧に迷子になった。
サーっと顔が青ざめていくのが分かる。
同時にどうしようと不安になる。
慌てて見渡すが誰もいない。
進む先には神社へと続く長い階段しかない。
(迷子…)
誰かを見つけるしかないと踵を返そうとした瞬間、強風がすり抜けていった。
ぎゅっと目を瞑ったまま、バサバサと広がった髪を手で押し付けて顔を上げる。
そこで気づく。
「…!」