キミといた。
神社へと続く長い階段の一番上。
そこであたしは鳥居に寄り掛かる少年を見た。
少年は無表情であたしを見ていた。
人だ、と感動する。
同時にいつから見られていたのかと恥ずかしくなる。
狼狽える有り様は爆笑ものだっただろう。
見られていませんようにと願うばかりだ。
「あ、あの!」
あたしは思いきって声をかけてみる事にした。
迷子のままうろうろしているわけにはいかないし、ここで人を逃したらいつ会えるか分からない。