キミといた。




だってあたしは少年を知らない。



「そうかぁ…俺の勘違いかなぁ…?」



「…勘違い?」



「うーん…どこかで見たことのある顔なんだよな」



そう言ってはぐっと顔を寄せてきた。


あたしは慌てて後ずさる。



「か…っ、勘違いじゃ…ないんですかっ?」



「うーん…そうなるよなぁ」



うーんうーんと首を傾げて唸る少年。


あたしは無言でそんな少年を見つめるしかない。


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