キミといた。
(あれ…?)
急に何かが胸に引っかかった。
ドキッと胸が鳴る。
(あれ…?)
「おーい、どした?」
気づくと少年が顔の前で手をヒラヒラと振っていた。
それにあたしはハッとする。
「な…何でもない」
「そ?」
あたしは慌てて俯いた。
ボーっと考え事をしていたあたしの表情がとんでもないことになっていませんように、なんて願った。
前から母に、ボーっとしている時の顔が酷いと言われてから気を付けていたのだが、今回はミスをしてしまった。