キミといた。
不思議な少年
あたしは無言のまま不思議すぎる少年の後を追う。
康介はとても楽しそうに鼻歌を歌いながら、手に握られている木の棒を振り回している。
そんな康介の背中をじっと見つめる。
「あのさ、康介くんは…」
「くん付けなし!」
足を止めてくるり振り返ると、それだけをビシッと告げては再び歩き出す康介。
あたしは、うっと口ごもってしまう。
(何なのさ…)
けれどそうビシッと言われてしまったからには言い直すしかない。
あたしは漏れそうになった溜息をグッと飲み込むと、言われたとおりにすることにした。