真っ白な死神
俺は、今朝の夢が気になってしかたなかった。
今までは、夢を見ても夢から醒めたら、忘れていたはずなのに。
夢を見てから、何時間たっても鮮明に夢を思い出せた。
「なあ、卓也。夢を見たんだ。真冬の夢を。」
「よかったな。夢でも、真冬ちゃんに逢えて。」
「よくねぇよ。夢の中の真冬は、俺が夢を諦めた事を知ってた。」
「・・・・・。まあ、たまたまだろ。」
「そんな、たまたまが、あるか。」
「じゃあ、なんだって言うんだ。」
「だから、不思議なんだよ。知るはずのない、真冬が夢で言うわけがないんだ。」
「考え過ぎだ。そんな事気にするな。」
「ああ。分かった。」