彼氏くんと彼女さんの事情





だが問題はそこからだ。




この学校は広い上に、校舎が多い。



故に、迷うのだ。




特に間違って理科棟やセミナーハウスなんかに踏み込んでしまった時には、ゆうに30分は出られない。




運が良いときは、あまり迷うことなく教室まで辿り着けたり、移動途中の先生に会って道を聞けたりする。





8時25分の予鈴が鳴ると共に学校内に滑り込んだ時にはまだ結構生徒がいるのだが、何しろ本鈴5分前のためみんな急いで教室に向かっている。



だから、道を尋ねることが出来ない。


< 103 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop