彼氏くんと彼女さんの事情
* * *
「ふあぁ~…」
今は昼休み。
一週間ぶりに指導の先生に呼び出しをくらって、生徒指導室へ行ってきた。
遅刻しないようにと注意されたが常習のため既に諦めているのか、しつこく言われることはなかった。
因みに生徒指導室までは、昼練に向かうヤスに案内してもらった。生徒指導室は体育館のある建物の中にあるから、そのついでだ。
まだ昼御飯を食べていないので、空腹のためにお腹がきゅるるとひもじい鳴き声をあげる。
ひとりで教室へ向かうのは危険だと自分でも思うが、来た道を戻れば良いだけだ。……多分、大丈夫。
俺は昼飯のために早く教室へ戻ろうと足を早める。
そして体育館横のロッカーの側を通りすぎようとした、刹那。