彼氏くんと彼女さんの事情
「ごめんね、せっかく教えてもらったのに私、馬鹿で……」
本当、その通りだ。
「あ、そだ!ご飯食べよ!今日はねー、私の手料理」
ぱっと思い立ったように台所へ向かう。切り替えの早い奴だ。
チラリと腕時計を見ると、7時過ぎだった。優愛の家に来て既に一時間が経過していた。
今日は日曜日だが、優愛の両親は出掛けている。優愛が、一人で晩御飯を食べるのが寂しいと言うので、部活帰りに此処へ来たのだ。
「お待ちどうさま~」
エプロンを着けた優愛がカレーライスの入ったお皿をテーブルに持ってきた。
……カレーをよそう為だけにエプロンを着たのか?
「今日はね、朝六時に起きてカレー作ってたんだ!」