彼氏くんと彼女さんの事情
おそらく、少し前の記念日の日に俺が言った言葉を気にしているのだろう。
「大丈夫、何もしねーよ」
「……!」
優愛は一瞬驚き、安堵の表現を浮かべた。
しかし直ぐに慌てて訂正する。
「べ、別に何かされる、とか思ってた訳じゃ無いんだよ?……二人っきりで、き、緊張してただけで」
「……嘘だけど」
俺がそう言った瞬間、優愛は固まった。
「……優愛は嫌?」
傷付いた様な悲しい顔をすると、優愛は慌て出した。
「………っ!……え、あの、嫌とかじゃない、けど……」
ビクビクしながら必死に否定する優愛が可愛い。
焦る表情を見ていたら、もっと優愛をからかってやりたくなる。