彼氏くんと彼女さんの事情
「じゃあ、良いじゃん」
「………っ!」
さっきまでの悲しい表情から少し妖しい笑みに変えると、優愛の肩はビクリと震えた。
そのまま俺は優愛の方へ数センチ近付き距離を詰めると
同時に優愛も体を俺と反対の方向へ反らす。
「嫌じゃないんだろ?」
「………っ」
さらに優愛に近づくと、優愛も後ろへ下がろうとする。
「……!」
しかし、ギリギリ三人が座ることができるこのソファには、もう優愛の逃げるスペースは残っていなかった。
優愛は困惑した表情になる。
……困った顔の優愛も可愛い。
優愛との距離は、20センチ程度だ。
俺は優愛に近付き、唇に触れようとした。