彼氏くんと彼女さんの事情
「優愛、……好き」
「!」
俺の素直な言葉に、優愛ははにかみ頬を赤く紅潮させる。
少し腰を屈め、俺は優愛の唇に優しくキスを落とした。
不意打ちキスにびっくりして、一瞬肩を震わせる優愛。
柔らかいな…。と、そんな事を考えながら。
数秒してゆっくりと唇を離す。
真っ先に視界に入った優愛の顔は、火が出そうなほど火照っていた。
その様子が可愛くて俺はフッと笑い、優愛の目を見据えて。
「おやすみ」
照れながら幸せそうにヘラリと笑う優愛に見送られ、俺は帰路についた。
馬鹿で無邪気で危なっかしいけれど。
凄く大事な彼女です。
―無邪気な彼女[完]―