彼氏くんと彼女さんの事情


「あ、先生来た。じゃあね!」



優愛が席に着くと同時に先生が教卓に立ち、学代が号令をかける。着席すると、先生は出席簿をつけ始めた。



「欠席、遅刻ー…春川いるか?……またあいつは遅刻か」




また、遅刻だ。



春川くんはほぼ毎日遅刻している。いつも、一時間目か二時間目の授業中にひょっこりと教室に顔を出す。



春川くんは朝が弱いのだろう。




昨日は折角付き合えたのに色々な衝撃の為にメアドを聞くのを忘れていた。


結局名前とクラスを名乗ってそのまま終わったのだ。



「(早く会いたい…。)」



* * *


眠い。


古典の授業も残り10分に差し掛かり眠気も限界で、うとうとしながら古文の教科書を読んでいると。




ガラッ



突然の教室のドアの開く音にパッと顔を上げると、春川くんのご登場だった。

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