ピアス
 流れ着いたというのはいささか語弊がある。








〝流れてきた〟というのが的を得ている。







 男は身体中が傷だらけだった。





 鉄砲で打たれたような、または刀で斬られたような、無数の傷が身体にあった。

  



 

 水に濡れた髪は太陽に反射し、きらりとした銀髪が光った。




 首元、右手首、左足首にはチャコールの革ひもが巻いてあり、首の革ひもは切れていた。さらには左の耳たぶに、銀製の装飾物が垂れ下がっていた。

 
 





 
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