ピアス
 一番気がかりなのは自分自身だと、クリフは思う。



 国が滅ぼされたというのに、感情が負の感情が湧き起こってこない。


 それが怖い、と彼は思う。



 普通ならピエールのように俯いたり、悲観的に陥り、もしくは再起を駆け立ち上がろうとするだろうが、どこか他人事でいる自分がいる。




 やはり記憶が戻らないというのは少なからず、いや大いに問題がある。
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