あの日、守りぬくと誓った
兄は、
知ってたんだ。
見てたんだ。
死ぬ間際の母を。
でも、なぜ?
「あの人は、
僕だからあえて言う
っていった。」
「お兄ちゃんだから…?」
「記憶のない政宗だから
言える、って。
理奈は全力で止めるけど
政宗は止めないでしょう?
って。
俺は………!」
「あ…
おにい、ちゃん」
兄は黙り込んでしまった。
一瞬、
一瞬だけ
兄が兄に戻ったように見えたのは
私の勘違いだろうか?