『スケッチブックにサヨナラ』〜短編〜
しかし 二人の会話は途絶える事はなく、時の経つのも忘れ、ひたすら話をし続けた。
深夜2時を過ぎた頃、少しずつだが戸上の表情が変わっていった。言葉も少なくなり、何かを考えているようだった。
戸上:『…あのさ…』
佐倉:『ん?』
戸上:『…』
佐倉:『どぉしたの?』

戸上の様子が少しぎこちない事に気付いていた。俯いたまま目を伏せている。すると、戸上は唐突に言った。
戸上:『付き合わないか?…俺たち』
佐倉:『……?!』

余りに突然過ぎて、戸上の言葉の意味を見失ってしまった。
佐倉:『ごめん、もう一度 聞いていい??…いま何て言った?』
戸上:『俺と 、付き合ってくれないか?』
佐倉:『…それ 本気で言ってる?』
戸上:『勿論だよ』

戸上は私の手を握った。
戸上:『俺たち、絶対に上手くいくよ』
自信たっぷりの言葉に 笑いがこみ上げてくる。腹を抱えて笑う私を 不思議そうに見詰めた。
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