彼を拾いました。










「.......はあ。」




「うわ!姉さんのカレーうま!
おかわりしていい?」




「う、うん......」



あほだ。
本当にあほだ。


何をやってるんだろ、私。


こんな見ず知らずの男の子を
拾ってくるなんて。



だって...
雨、降ってたし。
びしょ濡れだったし。
...風邪ひいちゃいそうだったし...。


あーこんなの言い訳だ。




「シャワーも貸して晩御飯も
あげたんだからそれ食ったら出てってよ?」



私は自分の分のカレーを
よそいながら言った。


「...姉さんも俺を捨てるの?」


...って!



「人聞きの悪いこと言わないでよ!
てか!
大体あんた何であんなとこいてたの?」



「捨てられたんだって。」


「誰に。」


「親。」




その瞬間、空気が凍った。


え、まさかの捨て子?
マジ?


「警察つれてこうか?」


「いや!警察だけは勘弁!
お姉さん、しばらく泊めてくんねえ?」



はあ!?



「意味わかんないし!
何で私が知らない子を泊めなきゃなんないの?」



「お願い!一週間でいい!
俺家事とかいろいろ手伝うから!」


そう言って
子犬のような目を向けてくる。



...う。



私、ダメだ。
きっとその目に弱い。
さっきもその目をされてつい
家に、連れてきちゃったんだもん。



「わ、わかったよ...。一週間だけだからね...?」



「やった!ありがと!」




本当に何をしてるんだろ私は。
大人にまでなって。





















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