кiпG彼★PriпsеsS彼女
…数分後
「おしッ★水族館へ出発ー!!!」
ニコニコ笑いながら、幼い子供みたいに拳を上に上げている蒼。
だけど…
「ちょ、ちょっと待って。」
あたしはそんな蒼の服の裾を引っ張って、今にも前進しそうな蒼を止める。
「おわッ!!な、何だよ?!」
「あ…のさ、他の子とかにバレないように行こうよ。彼氏・彼女になったってこと、まだ誰も知らないんだし……」
あたしは下を向いて、蒼に小さな声で言った。
「棗流、そんなこと心配してんのかよ??^^っしゃーねぇ、ほらよッ」
バフッ
「わッ!!!」
「それ、深くかぶっとけ…っな?^^」
さっきまで蒼がかぶっていた帽子を、あたしに深くかぶせた。
中学生のあの時から今までに無かった何気ない蒼の優しさが、心にジーンと響く。