仮面
坂井教授はそのまま息を引き取った。
黒沢は何度か坂井教授に声を掛けて動かないことを確認すると、部屋の外に出て市川に「警察は?」と言った。
少し長めのタイムロスがあってそれに気付かれないかとドキドキしながら
「連絡しました。きっとそれそろ来ると思います」
と言って黒沢から顔を逸らし廊下の窓から外を眺めた。
それから間もなくパトカーのサイレンが近付いてきて、市川は安堵したように深いため息を吐いた。
「市川さん、あとはよろしくお願いします。少しやることがありますので」
黒沢はそう言ってまた名刺を取り出し市川に手渡した。
そこに書かれていたのは「佐山探偵事務所」と先程もらった名刺に書いたあった事務所名とは違っていた。
「これは?」
「本物の名刺です。さっきのはダミーの名刺です」
最後に「連絡待ってます」と言って黒沢は逃げるようにこの場から走って立ち去った。
黒沢は何度か坂井教授に声を掛けて動かないことを確認すると、部屋の外に出て市川に「警察は?」と言った。
少し長めのタイムロスがあってそれに気付かれないかとドキドキしながら
「連絡しました。きっとそれそろ来ると思います」
と言って黒沢から顔を逸らし廊下の窓から外を眺めた。
それから間もなくパトカーのサイレンが近付いてきて、市川は安堵したように深いため息を吐いた。
「市川さん、あとはよろしくお願いします。少しやることがありますので」
黒沢はそう言ってまた名刺を取り出し市川に手渡した。
そこに書かれていたのは「佐山探偵事務所」と先程もらった名刺に書いたあった事務所名とは違っていた。
「これは?」
「本物の名刺です。さっきのはダミーの名刺です」
最後に「連絡待ってます」と言って黒沢は逃げるようにこの場から走って立ち去った。