仮面
部屋と玄関を隔てている木製のドアも開いていたが、カーテンが閉まっているせいか中は薄暗く、市川にははっきりと部屋の様子が見えたわけではなかった。
しかし微かに何が腐った臭いを感じ、そのカーテンの閉められた窓の下に横たわる何かが、市川の目に映り込んだ。
市川はバックから取り出したハンカチで口と鼻を覆い、ゆっくりと部屋の中に足を進めていった。
部屋に入るなり市川の目に入ったのは、窓の下の壁に体を預けている、大きな透明のビニール袋に包まれた裸の男の死体だった。
死体だったというのは、男のその状態から察知したわけではない。
よく見ると裸の男の左胸と腹部の間辺りがぽっかりと開けられ、男の左手には映像でしか見たことのない心臓が握られていた。
最悪だ。
市川は表情を歪ませながら、そう心の中で強く思った。
しかし微かに何が腐った臭いを感じ、そのカーテンの閉められた窓の下に横たわる何かが、市川の目に映り込んだ。
市川はバックから取り出したハンカチで口と鼻を覆い、ゆっくりと部屋の中に足を進めていった。
部屋に入るなり市川の目に入ったのは、窓の下の壁に体を預けている、大きな透明のビニール袋に包まれた裸の男の死体だった。
死体だったというのは、男のその状態から察知したわけではない。
よく見ると裸の男の左胸と腹部の間辺りがぽっかりと開けられ、男の左手には映像でしか見たことのない心臓が握られていた。
最悪だ。
市川は表情を歪ませながら、そう心の中で強く思った。