タイムストッパー
電車が通過するのを待っていたのである。夏も終わり日が沈み、午後八時前では空は暗いが、街灯やお店の灯りでくっきりと街並みは見渡せる。踏み切りの向こうにも遮断機が上がるのを持っているおばあさんと小学生の男の子がいた。
変わった風景でもない。
警報音が鳴り響き、二機の赤色灯が交互に点滅していた。
田久万は奇怪音を耳にした。すぐに視線は遮断機の先に自然と向いていたのだ。
もちろんおばあさんと小学生の男の子も気がついたらしく、振り返って見ていた。
真っ白なワゴン車がガードレールをこすりながら走行していたのだ。踏み切りで停まる気配さえない。
『あぶない!』
と、田久万は叫んで目をつぶっていた。
その瞬間、電車は踏み切りを通過中だった。
時間の経過はわからない。田久万は不思議に思った。耳から入ってくる情報は何もなかった。
無音。
おそるおそる田久万は目を開けた。
変わった風景でもない。
警報音が鳴り響き、二機の赤色灯が交互に点滅していた。
田久万は奇怪音を耳にした。すぐに視線は遮断機の先に自然と向いていたのだ。
もちろんおばあさんと小学生の男の子も気がついたらしく、振り返って見ていた。
真っ白なワゴン車がガードレールをこすりながら走行していたのだ。踏み切りで停まる気配さえない。
『あぶない!』
と、田久万は叫んで目をつぶっていた。
その瞬間、電車は踏み切りを通過中だった。
時間の経過はわからない。田久万は不思議に思った。耳から入ってくる情報は何もなかった。
無音。
おそるおそる田久万は目を開けた。