タイムストッパー
「それだけじゃなくて、茂呂くんのいじめの指示を出しているのって島目よ!」

「まさか……」

 田久万は茂呂から聞いたので、知っていたが、あえて否定した。

「ウソ、じゃないよ。やっぱり、島目のことが好きなのね?」

「違うって」

「あやしいな……」

「それより、お前さ、最近、遅刻ばっかしてねーか?」

 田久万は話題を替えた。

「ただの寝坊よ」

「寝坊? それにいつもこの時期は肌黒いのに今年は白いじゃないか」

「白いのいけない?」

「いけなくないけどさ、何か変な感じがしてさ……」

「やっぱりわかる?」

「肌が白いと千紗じゃないような気がして」

「大げさな」

 千紗は真顔で口を尖らし、おどけて見せた。

「真面目にだよ」
< 102 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop