タイムストッパー
「実はバイトしてんだ……」
千紗は急に神妙な顔に変化した。
「何だ、そんなことか。バイトして寝坊してちゃ、世話ないな」
田久万は笑った。
「家計が苦しいのよ。だから、バイトでもして少しは足しになるかなって、学校くる前もちょっとバイトして、ついウトウトして寝ちゃったのよ」
「あ、そうか、お前のところ母ちゃんしかいなかったもんな」
「双子の妹がいるから、これから大変なのよ。それに母ちゃんが預金を下ろして帰ってきたらお金がなくなっていたのよ」
「帰りの途中で泥棒に盗られたのか?」
「母ちゃんの話だと、機械に弱いから窓口で、現金を数えて確認して、バッグにしまって、家に帰って調べたら五万円ほどなくなっていたんだって」
「五万だけか?」
「五万円もよ」
「どっかに落としたんじゃないの?」
「落としたなら全額になるでしょ。一部だけよ」
「それなら、窓口で間違ったんじゃないの?」
「母ちゃんの前でちゃんとお金を数えているんだよ。間違えるわけないじゃない! だから水泳部も辞めたのよ」
千紗は急に神妙な顔に変化した。
「何だ、そんなことか。バイトして寝坊してちゃ、世話ないな」
田久万は笑った。
「家計が苦しいのよ。だから、バイトでもして少しは足しになるかなって、学校くる前もちょっとバイトして、ついウトウトして寝ちゃったのよ」
「あ、そうか、お前のところ母ちゃんしかいなかったもんな」
「双子の妹がいるから、これから大変なのよ。それに母ちゃんが預金を下ろして帰ってきたらお金がなくなっていたのよ」
「帰りの途中で泥棒に盗られたのか?」
「母ちゃんの話だと、機械に弱いから窓口で、現金を数えて確認して、バッグにしまって、家に帰って調べたら五万円ほどなくなっていたんだって」
「五万だけか?」
「五万円もよ」
「どっかに落としたんじゃないの?」
「落としたなら全額になるでしょ。一部だけよ」
「それなら、窓口で間違ったんじゃないの?」
「母ちゃんの前でちゃんとお金を数えているんだよ。間違えるわけないじゃない! だから水泳部も辞めたのよ」