タイムストッパー
「……」

 田久万は返す言葉が出なかった。

 音楽室に着いた。

「あれ? 開かない?」

 田久万は音楽室のドアノブを回したが、まったく動かなかったのだ。

「冗談でしょ?」

 千紗が交代した。

「あれ?」

 ドアは簡単に開いたのだ。

 田久万は首を傾げていると、千紗は先に入っていった。

「何、ぼっと突っ立ているの?」

 千紗に言われて、田久万は早歩きで音楽室に入って行った。

「おおっ!」

 大口の一言で、みんなの注目を浴びることとなった。

 千紗は動じず、席に向かった。

「やっぱ、お似合いのカップルだな」

 大口は言った。
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