タイムストッパー
消えたピンクのタオル
不穏な動きはなかった。
音楽の授業は終わって、教室に帰ってきたが、大口は沈黙していた。それとも短い休み時間では何もできないと判断してのことかもしれない。
それに休み時間中、慶子は教室にいなかったことが原因なのかもしれない。玲が教室に訪ねてくることはなかった。何となく、大口も元気がないように見えたのは気のせいだろうか。
「あれ?」
異変があったのは千紗だった。何度もかばんの中を見て、不自然に教室の床を見て歩いていたからだ。
「どうした?」
と、田久万が聞いた。
「刺しゅうで名前入りのタオルがないのよ」
「落としたのか?」
「わかんない」
「それとも、家に忘れてきたんじゃないのか?」
「だって、お気に入りだから、家に忘れるはずがないよ」
「勘違いじゃないの?」
「そんなことない。家を出る直前に忘れたとか、あ、バイトしてきたからバイト先に忘れたんじゃないの?」
「そんなはずはないよ」
音楽の授業は終わって、教室に帰ってきたが、大口は沈黙していた。それとも短い休み時間では何もできないと判断してのことかもしれない。
それに休み時間中、慶子は教室にいなかったことが原因なのかもしれない。玲が教室に訪ねてくることはなかった。何となく、大口も元気がないように見えたのは気のせいだろうか。
「あれ?」
異変があったのは千紗だった。何度もかばんの中を見て、不自然に教室の床を見て歩いていたからだ。
「どうした?」
と、田久万が聞いた。
「刺しゅうで名前入りのタオルがないのよ」
「落としたのか?」
「わかんない」
「それとも、家に忘れてきたんじゃないのか?」
「だって、お気に入りだから、家に忘れるはずがないよ」
「勘違いじゃないの?」
「そんなことない。家を出る直前に忘れたとか、あ、バイトしてきたからバイト先に忘れたんじゃないの?」
「そんなはずはないよ」