タイムストッパー
戸井田はまだ中学三年生で義母が嫌だった。真剣に話かけ、母親になろうと努力しているのはわかったが、一緒にいるのが嫌だったのだ。
最初の一回くらいは一緒にカフェに行った記憶がある。それ以降は何度も断った。しつこいので怒鳴ったことも覚えている。
だから、あのときの記憶があるから、言葉が弱めになっているのかもしれない。
「いつですか?」
戸井田は行くつもりはないが、社交辞令で言った。
「日曜日の午後五時ごろはどうですか?」
「そうですね……」
戸井田は相槌を打った。
「本当は今日、印鑑をもらう予定だったんだけど……あの人はどこに行ったのかしら」
「場所はあのカフェでいいの?」
戸井田は父親の情報は何も知らなかったので、話題を変えた。義母に連れていかれた唯一のお店である。
「あそこでいいわ」
義母はほおを緩めた。
戸井田は話すことがなくなったので、自分の部屋に戻って、義母もすぐに家を出た。玄関でドアの閉まる音がしたからだ。
最初の一回くらいは一緒にカフェに行った記憶がある。それ以降は何度も断った。しつこいので怒鳴ったことも覚えている。
だから、あのときの記憶があるから、言葉が弱めになっているのかもしれない。
「いつですか?」
戸井田は行くつもりはないが、社交辞令で言った。
「日曜日の午後五時ごろはどうですか?」
「そうですね……」
戸井田は相槌を打った。
「本当は今日、印鑑をもらう予定だったんだけど……あの人はどこに行ったのかしら」
「場所はあのカフェでいいの?」
戸井田は父親の情報は何も知らなかったので、話題を変えた。義母に連れていかれた唯一のお店である。
「あそこでいいわ」
義母はほおを緩めた。
戸井田は話すことがなくなったので、自分の部屋に戻って、義母もすぐに家を出た。玄関でドアの閉まる音がしたからだ。