タイムストッパー
「えーと、タックにそれと……他に学校にくまで誰かに会ったかな……そう言えば、くるとき近所の男の人と校門の前ですれ違ったかな……」

「あとは?」

「わからないよ。もしかしたら、他にもいるかも……」

「容疑者はこの二人だ」

 大口はもう断言した。

「ちょっと、待て、おかしいよ」

 田久万は納得がいかないので、すぐに否定した。

「あれ、まだ容疑者が二人と言っているだけなのに、ここで否定するのはやっぱり、あやしいな……」

「あやしいも何も俺の記憶でも千紗がピンクのタオルを持っていたのは覚えているけど、何で俺が千紗のタオルを盗まないといけないんだ!」

「千紗くんの汗つきタオルを欲しがるのは、好意を持っている者があやしいのだ。そこで、容疑者の二人のうち、千紗くんが校門の前で会った男の人は面識がないようだから、絞ると残るのは田久万くんになるね」

「何だ、その推理」

「間違いないよ」

「間違っているよ。俺、千紗に好意持ってないし……タオル何か盗ってねーよ」

「その怒りぶりはますますあやしいな」
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