タイムストッパー
「まあ、タオルは出てこないかも知れないけど、やっぱり千紗くんに好意があるのは間違いないな」

「このインチキ探偵!」

「何とでも言ってくれ、怒れば怒るほど、千紗くんのことが好きでたまらないんだろう。どうだろう、田久万くんは素直になれないから、タオルのことは許してやってよ。あとのことは任せるから、つき合ったらいいと思いまーす」

 大口はもちろん、生徒たちの笑い声は嘲笑にしか田久万には聞こえなかった。

「ありえない。時間を止めても、物とか動かすのは至難の業……」

 田久万は説明するが、周りが騒がしくて、声はかき消された。
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