タイムストッパー

コンビニ

 時刻は午後七時を過ぎていた。

 戸井田は無計画でコンビニにきてしまった。千紗が働いている時間ではないかもしれないし、無意識にピンクのタオルも持って、握りしめていた。

 外からコンビニで働いている千紗をさがした。

 レジに立っていて、お客の応対をテキパキとしていた。

 コンビニ内に客は数人しかいなかった。店員は千紗しか見えなかった。

 戸井田はピンクのタオルを広げ、マジマジと見た。そこには白い刺しゅうで『千紗』と書いてある。

 客が減り、コンビニの中には誰もいなくなっていた。

 戸井田はタオルを後ろポケットにねじこんだ。興奮気味だったので、汗ばんでいた。

 コンビニに入るとクーラーの涼しい風が身体を冷やし、とりあえず、息を整えるために戸井田は雑誌の置いてあるコーナーに行った。

 立ち読みをする気はないので、目だけがキョロキョロとしていた。

 これではらちがあかない。

 戸井田は勇気を持って、レジに向かった。

「いらっしゃいませ……」

 千紗は前よりも元気がないように感じた。

 戸井田は胸の鼓動が早くなって、何を言うか迷った。
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