タイムストッパー

着信

 戸井田はネットカフェでウトウトしていた。

 個室は窓がないので、時間の感覚はない。だから、朝か夜かもわからない。

 聞きなれない電子音が鳴り響いた。

 うるさい音だ。

 誰だ。

 戸井田の携帯電話が鳴っているのに気がついた。

 着信の履歴には090から始まる番号が表示されていた。

 千紗か?

 戸井田は急いで、電話に出た。

「もしもし……」

 声は若い女性だ。

「戸井田です」

「あれ?」

 しばし、沈黙があった。

「戸井田です」

「達也じゃないの?」

 電話は一方的に切られた。
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