タイムストッパー
「よく、わかります。だから、まずはお話でもしませんか?」

「そうですね」

「いつがいいですか?」

「バイトとかで忙しいのですが……日曜日の夕方以降なら時間が取れると思います」

 戸井田は今度の日曜日は義母との約束を思い出した。

「六時くらいはどうでしょう?」

 相手が高校生なので、あまり遅い時間だと、断られる可能性があったので、六時とした。義母とは一時間もあれば話は終わるだろう。もし、終わらなくても、途中で帰ればいいのだ。

「大丈夫です」

「待ち合わせ場所はコンビニの前で待っていてください」

「わかりました。では日曜日に……」

 電話は切れた。

「やった!」

 戸井田は人目も憚らずに、飛び上がって喜んだ。

 千紗から連絡がないのではと、思ったし、あっても断られるのではとネガティブなことばかり考えていたので、予想をいい意味で裏切ったのでうれしかったのだ。
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